Japanese F3

全日本F3第13/14戦 MINE/トヨタモータースポーツニュース全日本F3選手権


第14戦で初優勝を飾った横溝直輝 (C)Toyota

第13/14戦 MINE

      全日本F3第14戦でトヨタエンジン勢1-2フィニッシュ
      横溝直輝が念願の初優勝!第13戦でも健闘し2位表彰台を獲得

 全日本F3選手権の第7ラウンド(第13戦、第14戦)が8月28日、29日の両日、
山口県のMINEサーキットで開催された。第7ラウンドにはシリーズ参戦中の14
台が参加。このうちトヨタ・トムス3S‐GE型エンジン搭載車は10台を占め、27
日(金)に行われた練習走行では、12戦中6勝を挙げてポイントランキング首位
を堅持しているR.クインタレッリ(インギング/トヨタ・トムス3S‐GE)が、
2番手タイムを記録するなど依然好調をキープして予選へと臨んだ。

◆予選◆
 28日(土)の天候は晴れ時々曇りと、台風16号接近の影響も無く、好天のも
と気温30度の蒸し暑さの中で公式予選が午前11時から15分づつ行われた。
 第13戦の予選は開始早々からめまぐるしく首位の入れ替わる激戦で、8周目に
1分23秒928のベストタイムを叩き出した横溝直輝(インギング/トヨタ・ト
ムス3S‐GE)が2番手に浮上。R.クインタレッリもタイムアップするが届か
ず3番手にとどまり、R.アンティヌッチ(トムス/トヨタ・トムス3S‐GE)
がこれに続いた。
 10分間のインターバルを挟んで行われた第14戦の予選も、序盤から横溝直輝、
R.クインタレッリ、R.アンティヌッチのトヨタエンジン勢と、J.P.デ・オ
リベイラ(M-TEC MF204C)による熾烈なトップ争いが展開された。3周目にトッ
プに立った横溝直輝は、その後も毎周タイムを縮めてライバルの逆転を許さず、見
事第12戦に続くポールポジションを獲得した。R.アンティヌッチは3番手、山
本左近(トムス/トヨタ・トムス3S‐GE)が5番手に食い込んだ。

◆第13戦決勝◆
 予選の後、午後には俄かに雲が広がり、ごく少量の降雨もあって気温、路面温度
共に下がったが、午後3時頃には再び好転。太陽が顔を出し、気温も31度まで上
昇する中で午後3時23分に20周のレースのスタートが切られた。
 2番手スタートの横溝直輝はきれいなスタートを切るが、J.P.デ・オリベイ
ラをかわすには至らず2位で第1コーナーへ。序盤戦は、横溝直輝が首位奪取のチャ
ンスを窺いながら逃げるJ.P.デ・オリベイラをぴったり追走。3位以下との差
を広げるがJ.P.デ・オリベイラもミスを犯さずこう着状態。 残念ながら逆転
には至らず、第11戦に続く2位表彰台を獲得した。また、激しい3位争いを演じ
たR.クインタレッリとR.アンティヌッチも結局順位は変わらずチェッカー。
 一方、予選7番手の番場琢(トムス/トヨタ・トムス3S‐GE)、8番手の山
本左近、そして、9番手からスタートとなった中嶋一貴(トムス/トヨタ・トムス
3S‐GE)の3人トムス若手勢は、番場琢と山本左近がスタートで1位づつポジ
ションをアップ。8位争いの中嶋も健闘を見せたが、追い越しの難しいツイスティ
なMINEサーキットのコースに苦戦。番場琢が6位、山本左近7位、中嶋一貴9
位でチェッカーフラッグを受けることとなった。

◆第14戦決勝◆
 29日(日)も台風の影響による降雨はなく、天候は晴れ時々曇り。気温は35
度まで上昇して前日に増して蒸し暑い一日となった。
 午後12時53分に第14戦(30周)のスタートが切られると、ポールポジショ
ンの横溝直輝は好スタートを切り、トップで第1コーナーへ。同じく絶妙なスター
トを見せたR.アンティヌッチが予選2番手のJ.P.デ・オリベイラを抑えて2
位で周回を開始した。
 上位3台は接近戦のまま4位以下ををじわじわと引き離し、その後方では山本左
近と武藤英紀(M-TEC MF204C)が激しく4位争いを展開。緊迫したレース運び
に観客は釘付けとなった。
 安定したハイペースで首位を守る横溝直輝はミスを犯さず、後半戦にはR.アン
ティヌッチとの差を拡大して、F3ステップアップ3年目で念願の初優勝を果たし
た。
 終盤、激しいバトルを演じたR.アンティヌッチも2位でゴールし、トヨタエン
ジン勢がワン・ツー・フィニッシュ。ポジションを守りきった山本左近は4位入賞。
R.クインタレッリも6位入賞で貴重なポイントを獲得した。

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インギング 横溝直輝のコメント:
 前戦SUGOでは自分のミスで勝機を逸しただけに、第14戦で優勝出来て嬉し
いと同時にほっとした。第13戦ではスタート直前のコンディション変化が影響し
て、後半ペースが鈍ったことが反省点。第14戦では満足の行くスタートを切るこ
とが出来、難しい路面コンディションだったが落ち着いて走れた。これから最終戦
まで、残りのレースで1レースでも多く勝利を重ね、チームメイトのR.クインタ
レッリに近づけるように頑張る。

トヨタ・チームトムス R.アンティヌッチのコメント:
 良いスタートが切れて2位に上がったが、第1、2コーナーのダウンフォースで
横溝選手にかなわず逆転出来なかった。今日は2位だが久しぶりに自分のベストが
出せたことに満足している。次戦の仙台ハイランドは初めてのサーキットで分から
ないこともあるが、常にポジティブな姿勢でベストを尽くす。

トヨタ・チーム・トムス監督 関谷正徳のコメント:
 横溝君はいつ勝ってもおかしくない状態だったが、今回初優勝を決められたこと
が今後の自信につながるだろう。彼にとっては完璧なレースだった。また、山本君
は予選結果がもう少し良ければ勝つチャンスもあったと思う。一方、今回の番場君
と中嶋君は少々パフォーマンス不足を感じる部分があったのも事実。シーズンも6
戦を残すのみとなり、今後も厳しいレースが続くと思うが、全力を尽くして戦い続
けてほしい。

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第13戦 リザルト 順位 No. ドライバー エンジン チーム タイム/差 周回 予選
 1 10 J.P.デ・オリベイラ(ブラジル) ホンダ(M-TEC MF204C) M-TEC 28'16.383 20 1
 2  3 横溝直輝              トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 7.403 20 2
 3  4 R.クインタレッリ(イタリア)       トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 9.210 20 3
 4  1 R.アンティヌッチ(アメリカ)       トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 12.004 20 4
 5 12 F.カルボーン(ブラジル)      ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond Racing 14.727 20 5
 6 36 番場 琢               トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 21.627 20 7
 7  7 山本左近              トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 21.708 20 8
 8  2 武藤英紀              ホンダ(M-TEC MF204C) TODA RACING 22.640 20 6
 9  8 中嶋一貴              トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 24.932 20 9
10 14 柳田真孝              ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond Racing 25.432 20 11

第14戦 リザルト 順位 No. ドライバー エンジン チーム タイム/差 周回 予選
 1  3 横溝直輝              トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 43'04.314 30 1
 2  1 R.アンティヌッチ(アメリカ)       トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 2.341 30 3
 3 10 J.P.デ・オリベイラ(ブラジル) ホンダ(M-TEC MF204C) M-TEC 2.531 30 2
 4  7 山本左近              トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 3.947 30 5
 5  2 武藤英紀              ホンダ(M-TEC MF204C) TODA RACING 4.396 30 4
 6  4 R.クインタレッリ(イタリア)       トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 5.686 30 7
 7 36 番場 琢               トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 14.611 30 9
 8 12 F.カルボーン(ブラジル)      ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond Racing 33.807 30 6
 9 33 池田大祐              トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) Now Motorsports 42.827 30 13
10 50 磯崎元彦              トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) ZAP SPEED 55.424 30 14

ドライバーズポイント
(第14戦終了時での有効得点:暫定)
順位 ドライバー名 エンジン ポイント
1 R.クインタレッリ トヨタ・トムス 186
2 J.P.デ・オリベイラ M-TEC 151
3 横溝直輝 トヨタ・トムス 138
4 R.アンティヌッチ トヨタ・トムス 132
5 中嶋一貴 トヨタ・トムス 88
6 番場 琢 トヨタ・トムス 88
8 山本左近 トヨタ・トムス 73

※ポイントはシリーズ全戦の80%が有効


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